広島パイロットクラブのパイロットウォークに参加して

県立・わかば療育園 保護者 鈴木敏也

 

 5月15日(日曜日)世界的組織団体である「パイロットインターナショナル日本ディストリクト・広島パイロットクラブ」の障害児・者(重症心身、知的、肢体不自由、ダウン症障害)を支援活動の一貫としてパイロットウォークが平和公園・原爆ドーム前で開催されました。

 ここ2年間はコロナ禍で三密を避けるため中断しておりました。パイロットウォーク行事も記念すべき25周年の節目を迎えましたが、残念ながらこのウォークが本日で最後となりました。

 過去長い間、障害児・者関係団体へのご支援を頂きました。改めて感謝すると共にご支援による活動も多くの実りと広く一般の皆様にご理解を頂いたのではと思っております。

 

 今回は特別参加団体としてボーイスカウト広島第24団とポップザウルスの皆さまでした。

 アトラクションとして、ボーイスカウト皆様には、旗信号、ホップザウルスの方にはハンドベル演奏2曲、ご披露していただきました。 障害児・者本人は勿論のこと、この子どもたちを支える親、きょうだい、そして施設職員、各団体の皆様の深い愛情とご理解なくしては生きていくことはできないと思っております又、一般の皆さま方にも障害者に対するご理解は必要不可欠であると思っております。何時でも、どこでも又、絶対にあってはいけない有事があれば、一番の犠牲者は、最も弱い子どもたちです。

 

 現在2月末から始まった、ロシア軍によるウクライナ侵略戦争です。ひとりの独裁的エゴ者が正当化し、多くの尊い命を虫けら当然のごとく無差別にミサイル攻撃です。毎日放映される悲惨な状況は、子どもたちを始めるとする弱者が一番の犠牲者になっております。これは真に戦争犯罪者です。

 

 1970年9月、日本で初公開された映画「ひまわり」が今のウクライナ侵略戦争と重なります。

 イタリア、フランス、ソビエト連邦、アメリカ合衆国の合作映画です。ひまわり畑はソビエト連邦時代のウクライナ共和国、首都キエフ(現・キーウ)から南へ500キロ「ヘルソン州」広大な大自然の中にひまわりが地平線まで広がる自然豊かな地でのロケ撮影でした。 第2次大戦に引き裂かれたロシアとイタリアという隔たれた環境の中で生き続ける愛情を切々と描き切った名作です。戦争によってこれまで築いた夫婦愛が一変して、その愛と絆が引き裂かれ、人間の心まで奪われるストーリーです。戦争によって何一つ得るものはなく、多くのものを失い、有形無形にかかわらず甦ることはありません。この現実は深い悲しみと心の傷は永久的に残るだけです。

 

 人間は他の動物とは違って唯一、コミュニケーションが取れる動物です又、コミュニケーションは集団生活を可能とします。集団は色々と考えた知恵は技術へと進歩します。多くの集団からの知恵は技術を高めますが、技術の使用を一歩、間違えば人類破滅へと繋がります。現代では技術革新は3Dプリンターのハイレベルまで進んでおります。

 パイロットウォークへの参加の思いから、とんでもない方向へと話が進みましたが、どんなに技術革新ができても人間が持つ純粋な心は障害児・者をいたわり、弱者を助け、支援することであり、人間として弱者を助ける本能を持っていると思っております。広島パイロットクラブの「パイロットウォーク」に長い歴史に幕が下りることに寂しさはありますが、この精神を我々が永久的に引継ぎ、若人へとバトンタッチしなければいけない責務があることを強く感じたパイロットウォークでした。